1985年から柏原署嘱託医を務め、 留置人の健康診断やケガの治療にあたっている。 また90年からは同署衛生管理医も兼任。 署員の健康管理のほか、 変死体の検視にも立ち会うなど警察活動に貢献している。 長年の功績が認められ8日、 県警本部長から感謝状が贈られた。 丹波では1人。
○「留置人の治療や検視は、 いつ要請があるか分かりません。 夜遅く呼び出しがかかった時は、 当直の署員が家まで迎えに来てくれたこともありました。 皆さんの協力があっていただいた賞だと思っています」
「留置人が入ってきた時は必ず健康診断をしますが、 最近では覚せい剤の使用者が増えてきました。 30歳代から40歳代が多く、 男女差は特に見られません。 注射の回し打ちが原因で、 B型肝炎やC型肝炎にかかっている場合が多い。 うち数パーセントが慢性化して、 将来的に肝臓ガンを引き起こすので危険です」
「検視の件数も、 以前より増え、 年間30件ほど立ち会います。 1日に3件ということもありました。 悲惨な自殺の現場を目の当たりにすると、 人生の最期をどう締めくくるか、 ということを考えさせられます。 何年やってもなかなか慣れない仕事ですね」
「署員だけでなく、 家族の健康相談にも応じます。 また、 まちの人から相談を持ち掛けられることも。 自分の範囲外の場合は、 知り合いの専門医に問い合わせます。 それぞれのポジションをかっちり守ることがよい結果を生む。 開業医は、“窓口”に徹することが大事だと思っています」
「現場で働く警察官は大変な仕事だと思います。 時間が不規則なので、 ストレスがたまりやすい。 またどんな仕事にせよ、 ストレスの多い時代。 なるべくリラックスして正確に仕事をすること。 体の調子がおかしいと思ったら免許を持った専門家に相談を」
●専門は外科。 関西医科大を卒業後、 同大付属病院に六年間勤務。 帰郷して県立柏原病院に二年間、 柏原赤十字病院に10年間務めた。 外科部長で同病院を退職。 11年前におじの跡を継ぎ、 柏原町の津田医院を開業している。 身近な“町医者のプロ”のポジションをしっかり守ってほしい。 氷上町成松。 57歳。(J)