先月行われた全国珠算教育連盟主催の検定試験で五段に合格した。 3月には同連盟主催検定の暗算の部で六段に合格しており、二重の喜び。 自宅近くのそろばん教室に通う。 父から譲り受けたそろばんを米で磨きながら大切に使い、 さらに上位段をめざす。氷上高校商業科3年生。
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「検定は乗算、 除算、 見取算が必須で、 暗算、 伝票、 応用、 開法の中から3科目の得点が対象になります。 五段は、 各300満点中、 全科目で180点以上を取らなければなりません。 200点以上だと六段なのですが、 2科目だけ10点足りませんでした。 実はその上の七段を狙って挑んだので、 悔しかったですね」 「そろばんを習い始めたのは小学1年の時。 友だちに誘われたのがきっかけです。 教室で高校生は1人だけですが、 年下の子としゃべりながら練習するのが楽しい。 練習態度はあまりまじめじゃないですね」 「1日に商業科のそろばん県大会があったのですが、 24位の成績で、 上位22人までの全国出場枠には入れませんでした。 練習では調子がいい時は八段の点数が出ることもあるのですが、 本番ではいつも緊張して実力が出せません」 「『やるからには全国1位をめざしたい』 と小さい時から思ってきました。 毎年8月8日 (パチパチの日) に有段者の全国大会があり、 県大会の上位3人が出場できます。 今年の県予選は書類審査で、 今月中ごろに結果が出る予定。 日本一になるまでは挑戦したいと思っています」 「みんなから頼られるのが好きな性格。 学校では生徒会長をしています。 計算が速いので 『これ計算して』 と頼まれるのが結構うれしい。 尊敬する人はそろばん教室の大西喜八先生。 人に教えられるということがすごいなあと思います。 大学の法学部に進学し、 将来は政治家になって日本を助けたい」
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指導者の大西さんは 「五段取得は教室で2人目。 小中学時代からがんばり屋で、 冬でも半袖、 半ズボンで通していた」 と話す。自宅は山南町谷川で、 電車通学が一般的な地域だが、 約一時間かけて自転車で通っている。 調子がいい話っぷりだが、 地道な努力を続ける力も備えている。 18歳。 (J)