都市住民の移住を促し、 交流を通じて地域の活性化につなげようと、 青垣町神楽地区に設立された住民組織 「神楽の郷 (さと)」 の会長に就任した。 移住情報を発信したり、 交流イベントなどを企画し、 過疎化が進む地域で、 地元の人と都市からの移住者が力を合わせ、 新しい地域づくりに取り組む。
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「農村環境を生かした自然環境体験・農作業体験・農産物販売・農村レストラン・農家民泊などの交流イベントや、 空家情報を提供するなど、 さまざまな支援をしたり、 試みをする組織が 『神楽の郷』。 ともすれば、 閉鎖的で単調といわれる農山村の雰囲気を大きく変え、 外部からの文化の風を積極的に受け入れて、 進取の気風で独自の地域づくりを進めたい」
「行政の広域化や少子高齢化が進展すると、 ますます地域の住民どうしの助け合いが必要になる。 反面、 窮屈でわずらわしい人間関係が生まれることもある。 必要以上の干渉を避けながら、 いざという時に親切を分け合える、 新しいコミュニティが来訪者にとって魅力ある地域。 新規移住者を温かく受け入れる開かれた気風を育て、 交流を重ねながら、 長期滞在を希望する人を定住に結びつけていきたい」
「NPO法人設立検討部会、 ホームページ開設検討部会、 ファンクラブ設立検討部会、 交流イベント、 地域通貨検討部会と4つの部会を設けて事業を進める。 希望者を募り、 情報発信の拠点となるような 『農村カフェ』 も開く予定。 移住に向けた 『よろず相談』 的なことも行っていかなくてはいけない。 都市との交流を通じて、 神楽に住む人が地域への愛着を深めたり、 地域の魅力をさらに高めようという動きにつなげていけたら」
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いなか暮らしに憧れている都市住民は多い。 しかし、 様々な要因で二の足を踏んでいるのが実状。 また、 実際に移住する人はどのいなかが一番暮らしやすいか、 厳しい目で品定めをしている。 「選ばれ、 住みたいと思われる地域」 になるため、 町職員時代に培った 「まちづくり」 のノウハウが地域に還元され、 いかされることを期待したい。 青垣町大名草。 65歳。 (T)