高齢者支援のNPO代表 梶原周逸 (かじわらしゅういつ) さん

2003.09.21
たんばのひと

 高齢者やその家族を対象に、 財産管理や相続問題、 介護、 医療など、 生活上の相談を受けつけ、 問題の解決や生きがいづくりを支援しようと設立したNPO (特定非営利活動法人) 「たんば高齢者生きがい支援協会」 の代表理事を務める。 八月に法人格を取得し、 14日に初めての相談会を氷上町で開いた。


  「行政書士仲間で高齢者を対象にした相談会を開いたのが始まりです。 資産や介護、 家族関係、 年金などに関する悩みが特に多かった。 そこで知識のある人たちが集まって、 幅広い相談に応じ、 責任ある回答をしようと法人を立ち上げました」   「会員は現在、 行政書士のほか、 老人クラブ、 社会福祉協議会、 医療法人に所属する14人です。 相談会は月に一度、 定期的に開催する予定です。 そのほかにも生きがい支援のための講座、 法律に適合する遺言書の書き方などの学習会を計画しています。 集落ごとに老人会の会員を対象に開けたらと考えています」   「核家族化が進み、 相続や財産問題も増加傾向にあり、 合わせて介護の問題が絡むなど複雑化しています。 相談者が一カ所で、 どんな相談も受けられるような体制をとりたい。 電話で連絡をとり、 こちらから出向いたり、 ひざを突き合わせて気軽に相談できる雰囲気もつくりたい」   「いつでも、 どこでも相談できる身近な存在でありたい。 会員には行政書士などの有資格者が多いですが、 色んな立場の人と共同で活動していくためにも 『能力は出しても、 資格は出すな』 を心掛けています。 自分の仕事と結びつけると社会的信用が落ちるからです。 あくまで相談員という立場から応対しています。 今後は会員の増員、 他の福祉団体との連携、 協調が課題。 認証を受けた以上、 責任のある行動をとりたい」


 丹波地域も高齢化が進行している。 家の中の問題は、 どこに相談すればよいか案外分からないもの。 心の中のもやもやが解決し、 晴れ晴れとした表情のお年寄りが増えれば、 地域全体も明るくなることだろう。 かゆいところに手が届く活動に期待したい。 篠山市西岡屋。 67歳。 (S)

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