「キレイ」 社長 中西 正人(なかにし まさと)さん

2004.01.11
たんばのひと

光の感動を伝えたい
「キレイ」 社長 中西 正人(なかにし まさと)さん (神戸市在住)
 
1950年 (昭和25年) 山南町太田生まれ。 69年篠山産業高校電気科卒。 舞台、 テレビ照明を経て、 76年から27年間、 サンテレビ技術局制作技術部に勤務。 日本照明家協会奨励賞を受賞。
 
 名刺に 「光の魔術師」 とある。 テレビ局で長年、 照明の仕事をしてきたが、昨年の3月にLED (発光ダイオード) を活用した照明器具販売や光の演出などを手がける会社を起した。 その名もずばり 「キレイ」。  「LEDは、 1670万種類の色と多彩な発光パターンが可能。 長時間使用しても高熱を出さず、 省エネと二酸化炭素の大幅削減が期待されます」と話す。 特に、 LEDの用途拡大につながる発明と話題になり、 信号機などに使われている青色ダイオードに着目、 結婚式や街のライトアップなど様々なイベントに活用し、 注目を集めている。 「光を通じ人と人との交流、夢や希望を広げたい」 と意気込む。 会社を立ち上げるきっかけになったのは、 阪神淡路大震災。 その日、 神戸市北区の自宅で早朝に 「グラッ」 という揺れを感じた。 「慌てて車に飛び乗ったのですが、 あいにくガソリン切れ。 幸い隣に住む人に車を貸してもらい、 家庭用ビデオを持って中央区のポートアイランドにある会社に向かいました」 と当時の状況を思い起こす。 「車から見る神戸の町の惨状はすさまじく、 しゃべりながら、 ビデオを撮っていました。 後でわかったのですが、 震災直後、 市民が地上から撮影した最初の映像になりました」 「暗闇の中で最初に街にあかりが付いたのはJR三宮駅でした。 普段余り感じない蛍光灯の光に安心感や生きる力を感じました。 これまでスタジオの照明が中心でしたので、 光の素晴らしさに改めて感動しました」 と震災後の光景が胸に焼き付く。  神戸市が 「神戸21世紀復興記念事業」 として募集した光の市民ボランティアグループ 「こうべ照明探偵団」 の代表として活躍。 故郷の丹波の森公苑で開かれた 「夢灯籠まつり」 には大灯籠絵巻を提案し、まつりに彩りを添えた。

(臼井 学)

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