各国の高校生が日本の伝統文化 「書道」 の腕と感性を競う 「第13回国際高校生選抜書展」 (毎日新聞社主催) で、 入選を果たした。 国内を中心に25の国と地域から1万3700点の応募があり、 2163点が入賞入選に選ばれた。 柏原高校で学ぶ米・ケントリッジ高校からの27人目の交換留学生。
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「出展した作品は 『PEACE』 (平和) です。 イラク戦争後、 世界の人がアメリカを見る目は変わってしまったけど、 ほとんどのアメリカ人は平和的だという思いも込めてこの言葉を選びました。 アメリカ人の僕が日本の芸術展で賞をもらったのは 『いい感じ』 です」
「PEACEの作品は、 2、 3週間かけて50枚以上書きました。 とてもうまく書けたけど、 いつももっといい作品を書きたいと思って取り組んでいます。 書道で一番問題なのは、 文字を書く時に力を込めすぎると紙が破れてしまうこと。 大きな文字は力強く、 でも注意深く書かないといけません」
「昨年4月に来日し、 書道部に入りました。 これまで芸術的なものに挑戦したことがなかったのですが、 書道はとても楽しんでやれました。 書道を通じて、 『一つの事を熱心にやれば上達できる』 ということも発見できました」
「夏休みにホームシックにかかり、 一時は帰国を考えたのですが、 ある先生のアドバイスもあり、 『人生に一度しかない機会だからがんばろう』 と気持ちが全く変わったのです。 また同時に、 日本語が理解でき始め、 学校生活を以前より楽しめるようになりました。 今は友だちもここにいるし、 もっと長くいたいけど来月には帰らないといけない。 できれば2年後、 日本の大学に戻って来たいです」
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「自分の世界に入ってもくもくと書いている」 と同校書道部顧問の赤尾正顕教諭。 控え目に落ち着いた口調で話すショーン君だが、 書の文字は力強く、 日本文化への情熱が感じられる。 ホームシックを乗り越え、 一年間という短くも長い留学生活を全うしてくれたことがうれしい。 丹波市氷上町成松の足立沙央理さん宅にホームステイ。 17歳。 (J)