神戸市立工業高専教授 赤対 秀明 (しゃくつい ひであき) さん

2005.02.20
たんばのひと

中小企業を側面支援
神戸市立工業高専教授 赤対 秀明 (しゃくつい ひであき) さん (神戸市在住)
 
 1956年 (昭和31年) 丹波市氷上町大谷生まれ。 柏原高、 神戸大工学部機械工学科卒。 同大学院修士課程修了。 神戸市立高専講師、 助教授を経て97年に教授。
 
 工業高専の教授と地域協働研究センター長の2つの顔を持つ。 「大学と企業の産学連携が注目されますが、 ほとんどが大企業。 こちらは中小企業が中心」 と話す。 阪神淡路大震災で被災した神戸市の復興支援工場に入居する企業主を他の大学などと共同で支援する。
  「たとえば、 全国的に知られる長田のケミカルシューズの業者が、 手書きでしていた設計をコンピュータで行えるようにしたのも成果の表れ」 という。 「コンピュータ画面で立体化した設計図をもとに、 造形装置を使い、 プラスチックで成形した上で、 加工にかかれるようになりました。 手仕事の時は、 完成後に 始めて出来不出来がわかりましたが、 あらかじめ確認することにより、 以前よりも失敗が少なくなりました」 と話す。 「研究センターでは、 企業の相談を受け、 私の専門分野のほか様々な専門を持つ先生に橋渡しをしています。 丹波から車なら1時間くらいで来られます。 気軽にどうぞ」
 専門は流体工学。 固気液三相流の研究で博士号を受けた。 「例をあげると、 土砂の混じった泥水をパイプで流す場合、 空気を入れるとストレートに流すよりも流れやすい。 また、 ハワイ沖の五千メートルの海底に眠るマンガン団塊 (だんかい) を引き上げるのに必要なデーターの提示もしています」。 このマンガン団塊は、ニッケル、 コバルトなどを多く含んでおり、 地中の埋蔵量の数10倍から数100倍あり、 世界中が注目している。 「国内外の学会で発表しましたが、 実用化には多額のコストがかかります。 あくまでも基礎研究」 という。 「小さいころから、 水の流れに興味がありました。 水は形がないので、 面白い。 雨音も好きで、 癒されますね」
 中、 高校時代からバレーボールを続ける。 今は、 男子バレー部顧問の1人。 「全国高専63校のなかで6連覇を達成しました。 忙しくても、 頑張れるのは、 バレーで鍛えたおかげ」

(臼井 学)

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