茨城大学農学部教授 足立 吉藪 (あだち よしかず) さん

2005.04.14
たんばのひと

自給自足にあこがれ
茨城大学農学部教授 足立 吉藪 (あだち よしかず) さん (茨城県つくば市在住)
 
1949年 (昭和24年) 丹波市青垣町生まれ。 柏原高校卒、 77年北海道大学大学院獣医学研究科博士課程修了・獣医学博士、 同年農林省入省。 92年茨城大学助教授。 95年教授に就任、 同年東京農工大教授併任。 獣医師。
 
 動物の感染症および免疫学が専門。 茨城大学の動物保健衛生学研究室で、 博士課程6人 (うち5人が外国人) と修士課程6人の指導に当たる。 「留学生の指導はほとんど英語ですね」 と、 英オックスフォード大留学で磨いた英語を駆使。 学生のやりたい研究を指導するので学内で最も人気のある研究室のようだ。
 BSE (牛海綿状脳症) は、 米国産牛肉の輸入再開について米国の圧力が話題になっているが、 「日米の文化差をウンヌンするよりも、 輸入してもいいからトレーサビリティ (生産者表示と明確な履歴) をどう確保するかということに尽きる」 という。 自身は 「牛の肉など食べない。 養殖の魚は食べない」 というほど食品の安全に気を配っている。 「リスクを冒してでも食べたい人は、 自己責任で食べればよい」 という考え。
 20年間在住の茨城県の住民として、 つくばバイオテクノロジー戦略会議の食文化フォーラム小委員会代表幹事やNPO日本ブリーダー協会理事としてベンチャー企業の振興など、 幅広く地域の社会貢献に関わっている。 「忙しいですよ。 特に最近は、 国立大学法人として事務的な仕事が増えたし」。 一番楽しい 「生命の起源を探る研究」 の時間が奪われてしまっているそうだ。
 この道を選んだのは 「たまたま」 で、 天職とか使命感とは無縁だそうだ。 「進学では学生運動に荒れていない大学を選び、 人に指図されるのがいやで就職せず、 自然とこうなった」。 あくまで 「なりゆき」 という。 「淡々と生きてきた」 人が夢に描くセカンドライフは、 「丹波で自家製のハムなんか作ったりとか、 北大路魯山人のような、 自給自足の生活が一番ぜいたくな生き方だと思う」。
 入試実施委員長でもあり 「ぜひ茨城大学を受験して下さい」 とのこと。

(上 高子)

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