滋賀県立大人間看護学部教授 竹村 節子 (たけむら せつこ) さん

2005.09.29
たんばのひと

自律する看護師養成
滋賀県立大人間看護学部教授 竹村 節子 (たけむら せつこ) さん (尼崎市在住)
 
1948年 (昭和23年) 丹波市柏原町生まれ。 旧姓西山。 67年柏原高卒。 神戸大医学部付属看護学校卒。 宝塚市立病院看護師長、 藍野学院短大助教授、 和歌山県立医科大看護短大部教授や看護学科長を歴任。 2003年から現職。
 
 大学の人間看護学部で18歳から65歳までを対象にした成人看護学を講義している。
 「この年代は、 社会的にも責任のある世代。 職場の人間関係やその時どきの社会情勢も背負っています。 そういう面からの健康管理が重要で、 心身の健康維持への手助けや病気を治す自然治癒力をいかにして引き出すかが成人看護の課題」という。
  「高校卒業時に、 大学進学も考えましたが、 家計の負担がより少ない道をと、 看護学校に進みました。 看護学部のある大学は当時、 全国に数えるほどしかなく、 今のように高校を卒業して看護系大学に進むという進路は確立していませんでした」。
 目下の研究テーマは、 「アドボカシー」 で、 患者の立場に立つ看護の確立。 近畿地方の病院の看護師にアンケートを行い、 「患者の人権・利益を守る係りを看護師がどの程度意識し実践しているか」 などを尋ねた。 10月には、 ハワイ州の3つの病院で、 アンケートを行う予定で、 日米の看護師意識の比較という興味深い結果が期待される。 「患者さんが望むこと、 こうしてあげたい、 という思いを医師や病院側にきちんと伝えられる自律した看護師が求められています。 それをサポートする体制も課題。 病院勤務時代に接した様々な立場の患者さんから学んだことが今の仕事の原点」と話す。
 尼崎の自宅から約2時間かけて電車通勤。 「彦根駅に軽乗用車を置いて、 琵琶湖の四季折々の景色を眺めながら通勤できるのが幸せ」。 龍谷大大学院で社会学修士号を取得。 阪大大学院博士後期課程人間科学研究科で学ぶ。
 子供時代は、 バスガイドか教師、 看護婦(師)になれたらと夢を抱いたが、 「そのうち二つが実現しました」 とはにかむ。 「中、 高校時代の友人と旅行に行くのが何もかも忘れて癒される時間」 と話す笑顔が輝いた。

(臼井 学)

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