丹波木綿保存で「ふるさと文化賞」 細見 久乃 (ほそみ ひさの) さん

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 地域社会で長年、 伝統文化を守り育ててきた人に贈られる県の 「ふるさと文化賞」 を受賞した。 丹波木綿保存会の代表で、 篠山市栗柄の農家高齢者施設 「創作館」 を活動拠点に、 地域の伝統工芸品である丹波木綿の技術保存や後継者の育成につとめている。 1982年度に始まった賞で、 今年度の受賞は県内で3人。


  「1973年ごろ、 栗柄のおばあさんたちが自宅にあった機 (はた) を持ち寄って 『機織りグループ』 をつくり、 76年に創作館ができました。 私も行けたら行ってみたいと思っていたので、 仕事を退職し、 家の都合がついたのを機に1989年に入会。 先輩たちには気をつかいましたが、 同年代の話の合う人たちがいて、 何かしら楽しく通うことができました」
  「今は月曜日から金曜日まで週5日、 午前9時から午後4時まで創作館に通っています。 同じ頃に入会した3人が先生となり、 市内や神戸などからの生徒10人が好きな時に来て作業をしています。 昨年12月には、 生徒の発案で初めての作品展を開き、 おおぜいの人に見てもらうことができました」
  「丹波木綿を通じて、 いろいろな人と出会えることが喜びです。 体験学習に来る市内の小学生やトライやるウイークの中学生、 クラブ活動で糸紡ぎを習う高校生、 俳句の会の人などさまざま。 あらゆる所から見に来る人があり、 それがよい人ばっかりなのが不思議です」
  「自分で糸を紡いで、 染めて、 縞 (しま) を考えるのが全部楽しい。 好きだからここまで続いたのでしょう。 伸びていく若い人たちに協力させてもらって、 みんな元気で和やかに、 よいなあと言ってもらえる品物ができたらありがたい」


 丹波木綿保存会はもうけ主義とはほど遠い。 宣伝もしていないのに手弁当をもって生徒がやってくるのは、 家庭的な雰囲気があるからだろう。 「いろんな人が、 がいようしてくれて、 もったいない」 とやんわりと話すおばあさんたち。 肌ざわりがよくて温かい、 丹波木綿の魅力と重なるように思えた。 篠山市栗柄。 76歳。

(徳舛 純)

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