イギリスの政治家、チャーチルがおもしろいことを言っている。

2006.12.19
丹波春秋

イギリスの政治家、チャーチルがおもしろいことを言っている。「政治家は明日なにが起こるか予見する才能がなければいけない。そして、それがなぜ起きなかったのか、うまく説明する才能がなければいけない」。要するに、詭弁の才能が肝心というわけだ。▼言葉でいかに人をたぶらかすか、過ちを正当化できるか。政界では、そんな才能にたけた人物が優秀とされるなら、自民党の復党騒動は政治家の資質をみるいい試験紙だった。何人も政治家落第の烙印が押された。▼詭弁にもならないお粗末な言辞を弄する政治家たち。その言葉はなんとも軽い。自分の言葉に政治家生命をかけるという気骨が感じられない。▼かつて秦野章法務大臣が「政治家に古典道徳の正直や清潔などという徳目を求めるのは、八百屋で魚をくれというのに等しい」と語ったことがある。品のない発言だが、これが本音なのだろう。とすれば、重みのある言葉を政治家に求めるのもナンセンスということか。▼「文部科学大臣からのお願い」という紙を愚息が学校から持ち帰った。いじめに関するメッセージで、「弱いたちばの友だちや同級生をいじめるのは、はずかしいこと」などとあった。真っ当なことが書かれているのだが、政治家の言葉と思うとむなしく響き、説得力が感じられなかった。(Y)

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