NPO「アジアの新しい風」(東京、上高子代表=丹波市出身)が後援し北京の清華大で開かれた日本語スピーチコンテストを、約20人の会員たちと聴きに行った。「新しい風」は日本語を学ぶ中国人学生を支援する団体で、教師を派遣するほか、会員が個々に学生とEメールで文通している。▼コンテストでは清華大と北京第二外国語学院の学生12名が「日中間の情報ギャップをどう埋めるか」などのテーマで話した。両国政府の関係は今ぎくしゃくしているが、個人対個人が草の根の交流によって友好を深めることの大切さを強調したものが多かった。▼「あいうえお」から始めて2、3年なのに、皆発音も言い回しも非常に流暢。授業を参観したが、3年生は日本の青春ドラマを観て感想を話し合い、4年生は「鎌倉時代の衣食住」について発表。どちらも全く日本語しか使っていなかった。▼プレイベントで丹波市から参加した女性会員らが開いた和服着付け教室には大勢の学生が目を輝かせ、日本語演芸会の出し物では「過去の関係を修復し、未来に向けて進もう」という学生たちの想いが読み取れた。▼日本のアニメの吹き替え実演も舌を巻くほどの巧みさ。筆者の文通相手の女子学生から「アニメを見たさに日本語科に入った者も少なくない」と聞き、「なるほど」と思った。(E)