「常勤医派遣は困難」

2007.06.18
丹波の地域医療特集

 県立柏原病院の小児科を守る会 (吉田綱和代表) の母親6人が14日、 県庁を訪れ、 5万5366筆の署名簿と、 市内の母親らから託された手紙を、 県健康生活部に提出した。 応対した、 高岡道雄同部健康局長兼病院局参事 (医療担当) は、 「努力しているが、 常勤医を派遣することは難しい」 と述べた。 また、 丹波地域の医療の実情もほとんど伝わっておらず、 同会の母親たちは、 「何のために頑張って来たのか…」 と、 県の対応にあきれ果てていた。
 柏原病院の小児科外来が4月から予約制になっており、 平日昼間の診察であっても紹介状が必要なことや、 7月から市立西脇病院の小児科常勤医が1人になることなども伝わっていなかった。
 早期の医師派遣の要請に対し、 ▽専攻医 (後期研修医) を1年間派遣できないかと考えており、 専攻医確保に務めているが、 仮に派遣ができても来年4月以降▽県養成医 (兵庫県が学費などを負担し養成した自治医大と兵庫医大出身医師) を、 へき地でない柏原病院に派遣することは制度上難しく、 仮にできたとしても来年4月以降―などと、 年度途中での常勤医派遣の難しさを繰り返し説明。
 ▽県立病院間の連携 (週2回のこども病院からの応援と週1回ののじぎく医療センターからの発達外来の応援) ▽県医師会のドクターバンクから7、 8月に週1回応援―など、 県の取り組みを紹介し理解を求めた。
 吉田寛代さん (山南町長野) は、 「ここまで丹波地域の医療事情が理解されていないとは思わなかった」 と絶句。 「5万5000筆あまりの署名の思いをくんでほしいし、 お医者さんを大切にする地域づくりを進めるという私たちの思いもくんでほしいが、 期待できそうにない」 と、 力なく話した。

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