化石発見コンビ

2007.06.14
丹波春秋

 村上信夫アナウンサーのNHK「わくわくラジオ」に11日、「丹波竜」化石発見者の足立洌さんと村上茂さんが登場。大学を出てから30数年ぶりに再会して2人で観察を始め、大発見に至った経緯や因縁について語った。▼聴取者からのファックスで、「まるで藤子不二雄みたい」というのが紹介されたが、言い得て妙だった。「ドラえもん」や「おばけのQ太郎」など子供たちに夢を与えてくれた作品は、2人の漫画家の合作だ。▼化石の発見も、最初に「これ何や」と言ったのは、足立さんに誘われて来た村上さんだった。先輩格の足立さんは「サンドパイプ(虫の住み穴の生痕化石)」探しに没頭していて、「もし自分だけだったら、恐らくその場所は見過ごしていただろう」と言う。▼他にも様々な因果が重なって、まさに二人の合作の結果、「宝くじに当たるより確率の小さい」できごとにぶつかったわけだが、しかし決して偶然ではなく、なるべくしてそうなったように、筆者には思える。▼子供の頃からの「考古学」への夢を、いく度か挫折に会いながらも持ち続け、また「身近にある自然」への感覚を常にとぎすましていた。そんな足立さんに、天が村上さんという絶妙な協力者を配してくれたのだろう。その辺りは、足立さんが本紙に連載中の「恐竜化石との出会い」からも十分にうかがえる。(E)

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