「地域医療を考える講演とシンポジウム」 (同実行委員会主催) が3日、 柏原公民館で開かれ、 約100人が参加。 国の医療行政を踏まえながら、 丹波市の医療、 病院の現状と課題などを話し合った。
武村義人・県保険医協会副理事長 (神戸・生田診療所長) が 「医療も命も削られる」 をテーマに講演。 「医師不足、 医療難民が生まれたのは、 政府の医療費抑制政策が根本原因」 と説明した。
シンポジウムでは、 武村さんや自治会長経験者、 市会議員ら5人がパネリストを務めた。 元野山自治会長 (春日町) の前川行雄さんは、 「県立柏原病院の医師確保、 市民の生命を守る救急医療体制確立などを求める署名運動と要望書提出を船城地区の自治会長会で決定し、 丹波市、 市議会、 県に提出した。 自治会長OBが呼びかけ人となり、 市内の口火を切り、 その後の医療問題の様々な住民運動につながったと思う」 と話した。
坂瀬勝治さん (柏原町) は、 「病院の衰退は地域の活力を損なう。 柏原日赤には大変愛着を持ち、 守っていきたい。 ところが、 丹波市は日赤を守っていこうとしているのかどうか、 見えにくい」 と述べた。
また、 石田美知子さん (春日町) が出産や小児救急で、 丹波地域以外の病院を選択しなければならなかった、 という身内などの実際の例をあげ、 「身近な所で安心して診てもらえるように」 と要望。 広瀬憲一さん (市議会副議長) は、 「地域医療を守るためにも日赤の市立病院化が必要」 と提言した。
会場からは、 「 (医療問題は) 市長や議員で決められることが多く、 市民の選択肢が乏しい。 選択肢を増やしてほしい。 現実的に達成可能な、 解決できる方法を出してほしい」 という声や、 医療関係者からは、 「病院は忙しすぎた。 何でも病院という志向から、 身近なかかりつけ医を大切にするなど、 医師のかかり方を考えてほしい。 そうすることが、 今の病院を減らさない、 医療を守ることにつながる」 という意見も出された。