三田市民病院 市立西脇病院 小児科入院とりやめ 

2007.07.05
丹波の地域医療特集

 丹波地域の患者も利用している三田市民病院 (三田市) と、 市立西脇病院 (西脇市) が7月1日から、 小児科の新規入院患者の受け入れができなくなった。 大学の人事異動や、 産休、 医師の体調不良などで、 小児科常勤医が1人になったことによる措置。 両病院とも、 外来診察は維持する。
 三田は篠山市、 市立西脇は丹波市山南町に近く、 丹波地域の小児科機能が低下する以前から、 両病院に受診する患者があった。
 三田市民は、 非常勤医の応援で、 外来2診体制を維持する。 医師への過重負担を抑えるため、 小児の2次救急の輪番は、 当番日を平日月3回に減らす。
 西脇は、 2日時点で非常勤医の応援が確定しているのが週1回という。 同病院に外来診察に訪れた患者で入院が必要と判断された患者は、 小野市民 (小野市) や、 県立こども病院 (神戸市) などに送ることになるという。
 昨年度の患者数 (延べ数) は、 三田が外来9833人、 入院4018人、 西脇が外来9260人、 入院4277人だった。 小児科のベッド数は、 三田が11床 (病的新生児病床を含む)、 西脇が19床 (病的新生児病床を除く)。
 丹波地域への影響を、 酒井國安県立柏原病院長 (小児科) は、 「夜間に、 小野や、 県立こども、 済生会兵庫県病院 (神戸市) などで診てもらった後で、 柏原で入院する患者が増えるだろう」 と見ている。 これら病院は遠く、 看病に通う負担が大きいためだ。
 柏原は、 一般小児病床を12床持ち、 平均6、 7人を受け入れている。 これとは別に病的新生児用の病床が4床あり、 こちらはほぼ満床が続いている。 「丹波地域の人が入院できる病院を守りたいが、 16床が満床になり、 それが常態化すれば、 今いる医師だけで対応するのは難しくなる。 患者の動向を注視したい」 と、 同院長は話している。
 柏原病院の小児科は、 7月以降も県立こども病院から少なくとも週1回の外来応援が継続されることになり、 新たに県内で開業を予定している男性医師 (50) が、 9月までの間、 週1、 2回応援に駆けつけることが決まった。 また、 6月から週1回の発達外来を、 県のじぎく療育センターが応援している。

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