便利さの裏側

2007.07.23
丹波春秋

 私たちの身の回りには便利なものがいくらもある。しかし、その便利さには必ず裏側がある。たとえば車は環境を汚染するし、交通事故の惨事が後を絶たない。携帯電話は、いびつな人間関係を生み出す危険性がある。裏側をどれほど認識しているかが、マイナス面にはまりこまないための歯止めになる。▼食品添加物もそうだ。添加物がたっぷり使われた食品は、日持ちがするし、調理も簡単。値段は安く、味も悪くない。しかし、それには必ず裏側があることを改めて知らされた。▼『食品の裏側』の著者、安部司さんが篠山で講演した。「1500もの添加物があり、発ガン性があるなどの理由でいつしか使用が禁止されているものがある。でも、だれも知らない」と安部さん。「安くて便利だと思うものには、添加物がいっぱい入っているのは当然」と強調した。▼我が身の生活を顧みると、添加物のないものだけを口にするのは難しい。しかし、できるだけ添加物を体内に取り入れるのは慎みたい。▼安部さんによると、母親のつくった弁当は汁が流れ出るからと、母親とけんかをした子がいるらしい。でも、添加物について学び、母親が添加物を使わないおかずをつくっていたことを知り、感謝したという。さあ夏休み。給食のない日が続く。保護者の腕と愛情の見せ所だ。(Y)

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