兵庫県高校野球連盟審判部の丹有支部長、 技術指導員を、 今年1月まで10年間務めた。 高校野球の発展に力を尽くしたとして6月、 同連盟から感謝状が贈られた。
「軟式野球の審判員を経て、 1983年から県高野連の審判員として活動してきました。 年齢や体力などを考えて今年、 第一線を退きました。 丹有地区大会などでは審判を務めますが、 県大会の審判はもうしません。 感謝状を頂いたのは、 一つの節目かな、 という思いです。 春・夏・秋の県大会や地区大会だけでなく、 地区内の練習試合でも活動します。 野球シーズンの3―11月は、 土・日曜日はほとんどどこかに出かけていました。 家族や職場など、 周囲に理解してもらわないとできません。 感謝の気持ちでいっぱいです」
「審判は一瞬の判断が求められ、 また、 判断に選手の一生がかかっています。 重大な責任があります。 10年ほど前、 球審を務めた試合で1回だけルールの適用を間違えたことがありました。 本来は認められる得点を、 ルールを勘違いして認めなかったのです。 試合途中に気がつきましたが、 どうすることもできませんでした。 試合後、 学校の監督に謝り、 審判部長に辞表を出しました。 『誰でも失敗はある』 と言って下さり、 続けることになりましたが、 今でもあの時のことは忘れません。 油断があったのだと思います。 以来、 大会前にはルール本を熟読するようになりました。 丹有支部長になってからも、 あの時の思いは皆に伝えてきました」
「丹有地区には立派な球場がありますし、 地区大会でも審判が4人付くなど、 他地域と比較して良い環境にあると思います。 強くなってもおかしくないが、 良い人材は野球留学する。 歯がゆい思いがあります。 県大会で地元の学校の校歌が聞けるのは、 審判としてもうれしいもの。 勝ち進んでほしいですね」
現在は、 後進の育成や大会の運営補佐に携わる。プロ野球を見ても審判の動きばかり見ている、という生粋の審判人。 さらなる活躍を期待したい。 丹波市山南町長野。 60歳。(古西広祐)