「丹波の恐竜化石発見1周年記念講演会」 が19日、 三田市の県立人と自然の博物館で開かれ、 発見者の村上茂さん (丹波市山南町) と足立洌さん (丹波市柏原町)、 同博物館研究員の三枝春生さんが1人ずつ話した。 また席上、 発見や発掘への協力と化石寄贈に対し、 県知事と同博物館から発見者の2人に感謝状が贈られた。
2人は、 昨年8月に発見した尾椎やろっ骨を同博物館に寄贈、 7月に手続きが完了した。 岩槻邦男同博物館長 (丹波市柏原町出身) が感謝状を手渡した。
講演で村上さんは、 専門家に 「恐竜の骨」 と判定してもらうまで実感や感動がわかなかったこと、 試掘前の段階からすでに2人で 「丹波竜」 というネーミングを考えていたことなどを、 ユーモアを交えて話した。 足立さんは、 「私の地学の楽しみ方」 と題し、 一番興味を持って探している生痕化石のサンドパイプ (砂管) の魅力について熱く語った。 「こうしたものは誰も注目しないが、 化石の中に命を探すのが好き」 という。
三枝研究員は、 山南町の発掘現場で、 ティタノサウルス類とみられる恐竜のほかに、 肉食の獣脚類と、 草食の鳥脚類の 「脱落歯」 が見つかっていることなどを紹介。 「今後、 他の恐竜や同時代のいろいろな生き物が見つかる可能性がある」 と述べた。 また、 保存の良いティタノサウルス類は世界で2例しかないため、 「丹波竜の50%以上の骨がそろうときわめて重要な資料になる」 とした。 2次発掘は12月から行われる予定。
講演会には約100人が参加した。