柏原赤十字病院の医師の充足率が、 全国に92ある日本赤十字社の医療施設で最も低いことが、 同赤十字社の調査 (4月1日時点) と丹波新聞社の調べで分かった。 同赤十字病院の必要医師数13人に対し、 常勤換算で4・7人しかおらず、 充足率は36・15%だった。(足立智和)
日本赤十字社が、 今年4月1日を基準日に、 統一の様式で調査を実施。 76施設で614人 (常勤換算) の医師不足が認められた。
柏原赤十字 (110床) の必要数は、 外科2人 (充足0)、 整形外科2人 (同0)、 産婦人科2人 (同0・1人)、 内科4人 (同2・9人)、 小児科2人 (同1・2人) など。 医師不足のため、 現在は、 外科と整形外科、 産科が休診。 婦人科と小児科は、 非常勤医師の週1回診察、 2次救急輪番制からの脱退と、 大幅な診察縮小を余儀なくされている。 一時院長不在となったが、 6月に新院長が就任。 現在の常勤医師数は4人 (内科3、歯科1)。
同調査では、 兵庫県支部の4病院で18人が不足。 うち、 柏原赤十字が8・3人、 中町 (多可町、60床) が7・7人、 姫路 (姫路市、503床) が2人不足。 神戸 (神戸市、 310床) は充足していた。 近畿13病院中医師不足が生じていないのは、 神戸と京都第二 (京都市、 640床) のみだった。
兵庫県支部全体で不足しているのは、 整形外科5人、 外科3・5人、 産婦人科系2・3人、 小児科2・1人、 内科1・7人、 眼科0・9人―など。
日本赤十字社全体では、 昨年度の調査と比べ、 施設数で14、 人数で177人、 医師不足が拡大。 診療科別では、 内科系191・3人、 産婦人科系62・6人、 小児科50・1人、 麻酔科の43・7人の順。
医師不足の理由は、 「大学に戻った後の補充が困難」 が最多 (143施設)。 以下、 「他病院に行った後の補充困難」 (125施設)、 「開業した後の補充困難」 (46施設) ―。 医師派遣を大学医局に頼ってきた日本赤十字社の事情が浮き彫りになっている。
医師の必要数 病院が提供しようとする医療を行うために病院が定める医師の数。