田舎暮らしを志向する都会の人に、丹波地域に移住している人が体験を語る「たんば・田舎暮らしフォーラム」が、21日の宝塚で5回目を終えた。▼筆者も実行委員に加わっているこの催しは昨年から大阪、神戸、西宮を合わせこれまでに約800人が出席。毎回、熱心に耳を傾けてもらっている。パネリストは延べ50人を数え、若い人も少なくない。▼今回は市島町でブルーベリー農場を営む20歳代の古谷さん夫妻が、生後半年の愛くるしい赤ちゃんを抱いて登壇し、会場はなごやかな空気に包まれた。「安心でおいしいものを自分で作って食べるのが移住の動機」というだけに、質問を受けて披露された当日朝の食卓は、自家製の野菜たっぷりの豊かなものだった。▼このフォーラムは丹波県民局から補助金が出ているが、行政から言われて始まったものではなく、移住者自らが企画提案して県や市が乗ってきたものだ。全国各地に類似のイベントはあるが、出演はもとより、運営全般に渡ってこれほど移住者主導によるものは、他にはまずないだろう。▼移住者がそれだけ丹波のすばらしさを感じ、これから来ようという人と分かち合いたい、そして仲間の輪を広げていきたいという気持ちの現れと思う。移住者もまた、すばらしく多彩な人たちがあまたそろっていることを活動を通じて再認識した。(E)