日伊文化交流に貢献
(なかがわ まき)フィレンツェ在住
1956年 (昭和31年) 丹波市山南町生まれ。 久下小卒業まで過ごす。 同志社大文学部卒業後、 米ミシガン大、 フィラデルフィア芸術学院大などに留学。 フィレンツェのパラッツォ・スピネッリ芸術修復学院西洋骨とう研究コース専攻、 卒。
アメリカやオーストラリアなど外国生活が長く、 現在はイタリアの芸術文化の拠点、 フィレンツェに滞在して、 美術史や西洋骨とう研究に打ち込む。
アメリカの大学で芸術や経営学を学び、 装飾など繊維製品のデザイナーに。 西洋美術の源流であるイタリアに魅かれ、 15年前にフィレンツェに渡った。 研究のかたわら、 交易する日本企業を助けてコーディネートをしたり、 国際会議の通訳を務めるなど多忙な毎日だ。
今年、 同地の仲間と共に 「日伊文化交流協会」 を立ち上げ、 日本から墨絵と書を出品してもらって展覧会を開いたほか、 今月に 「膳と禅」 というテーマのイベントを、 来春には 「地蔵展」 を開く。 「日本の路地にお地蔵さんがあるのと同じように、 イタリアでも 『タベルナッコロ』 と呼ばれるマリアやキリスト像があちこちに置かれ、 信仰の対象になっているんです。 こちらの教会や京都のお寺も協力して下さり、 面白い試みになると思います」。
また 「東洋人では私1人」、 地元市民に混じって 「フィレンツェを良くする会」 に加わって、 石畳の道の修復など、 日常生活上の様々な問題について当局に注文を付けている。
父が医院を営む山南町の実家に年に3、 4回帰る。 今回は画家の夫が東京と西宮で個展を開いたのを手伝った。
フィレンツェに渡った当時、 丹波出身のオペラ歌手、 足立さつきさんが少し前から留学中で、 さつきさんの母が小学時代の恩師だった縁もあって、 一緒によく劇場などに通った。 丹波は 「何と言っても食べ物がおいしいし、 人もゆったりしている」 といい、 いずれは帰郷することも考えている。 「ふるさとのためにいくらかでも貢献できることがあればうれしい」。(外野英吉)