13歳のハローワーク

2007.11.19
丹波春秋

 きょうの本紙にあるように、わが社にも「トライやる生」がやって来た。この体験が、新聞づくりだけでなく、仕事を理解する糸口になってくれたらと思う。▼村上龍氏の『13歳のハローワーク』に、「この世の中には2種類の大人しかいない」とある。偉い人と普通の人、金持ちと貧乏人。このいずれでもない。「自分の好きな仕事、自分に向いている仕事で生活の糧を得ている人と、そうではない人」のことだ。▼自分の仕事が好きで、誇りが持てる人は幸せだ。そんな幸せな人になりたいと願わない子どもはいないだろう。好きな野球で大活躍しているイチロー選手なんかはその代表格だ。自分もと、あこがれている子もいるだろう。▼でも、だれもがだれも、イチローのようになれるわけではない。ごく限られている。だからといって、「自分には特別な才能はない。夢はしょせん夢」とあきらめることはない。イチローのように輝いている人は身近にいっぱいいるのだから。▼イチローみたいに周りから注目されなくても、自分の仕事にやりがいを感じている人。いい仕事をしようと、いつも前向きな人。仕事を通して周囲に喜びを与え、感謝されている人。それはそれで立派なイチローだ。ごく普通の会社員にもイチローはいる。トライやるで、そんな出会いがあったことと思う。(Y)

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