暴力団追放功労者表彰で、全国最高賞の 「金賞」 を受けた。 1992年9月、 全国に先駆けて発足した 「氷上郡 (現丹波市) 暴力追放推進協議会」 の初代会長として、 地域の暴力団追放活動に力を尽くしてきた。 今年度、 同賞を受けたのは、 全国で10人。 県内からの受賞は4年ぶり。
「協議会は警察の支援を受け、 飲食業組合と遊技場組合が協力して立ち上げました。 金賞は、 スクラムを組んでやってきた協議会と丹波署が、 一緒に受けたものと考えています。 賞の重みを思うと、 『さらにがんばれ』 との激励を頂いた感じです。 これまでの活動は、 家族の協力がないと出来なかった。 感謝したいです」
「氷上郡飲食業組合長をしていた91年、 警察から 『暴力団へのみかじめ料の排除に力を貸してほしい』 と要請がありました。 当時、 氷上郡内には組事務所があり、 年末になると各店は門松代、 額代などの名目でみかじめ料を払っていました。 郡全体で、 1000万円ほどになっていたようです。 92年3月から暴力団対策法が施行されることもあり、 関係にけじめを付ける時期と考えました」
「不安はありましたが、 腹をくくって、 組長あてに協議会に参加する約60の店名と責任者名を列記して、 一切の付き合いを断る旨を伝える文書を送りました。 警察の強いバックアップもあり、 関係を絶つことができました。 資金源が途絶えた組は衰退し、 やがて解散しました」
「いま丹波市内に組事務所はありませんが、 暴力団は隙があれば入り込もうとします。 常に強い意識を持って、 市民ぐるみで 『恐れない・利用しない・金銭を出さない』 を徹底することが、 絶対に必要です。 今後も、 市民への啓蒙活動や、 困っている人の救済や警察への仲介に力を入れ、 警察、 行政、 市民がスクラムを組む機運を盛り上げていきたい。 明るく安全安心なまちをつくりたいです」
市の協議会長は2002年に退任し、 現在は県組織の副会長。 暴力団追放の先頭にたち続ける、 その姿勢に頭が下がる。 料理店経営。 丹波市氷上町朝阪。 70歳。(古西広祐)