丹波美術協会会長に就任 木寺明(きでら・あきら)さん

2008.02.12
たんばのひと

30年間会長をつとめた足立前会長の後を受け、 丹波美術協会の会長に就任した。 今年は丹波美術展の40回記念展の年。 どのような展覧会にしていくかが当面の課題になる。

    
  「協会も発足段階から数えれば、 40年くらいになる。 発足当初からかかわっているが、 美術展を見ようと思ったら、 都会に行かなければならなかった時代。 『丹波を美術の郷に』 というスローガンが協会の大きな目標でもあった。 しかし今、 丹波の各地域で絵画、 彫刻など色々な展覧会が開かれるようになった。 新たなスローガンをみんなで考える時と思う」
  「結成当時、 青垣の三水会という絵画グループを中心に氷上郡内や多紀郡から10人くらいのメンバーが集まったと思う。 当時、 20、 30歳代の若手が福知山市展や豊岡市展にも出品し、 入賞者も出していた。 『丹波にも市展があれば』 と何度か思ったこともあるが、 その夢が実現して感慨深い」
  「創立当時からのメンバーとはいえ、 60歳を過ぎた。 50歳代やそれ以下の若い世代への橋渡し役になれればと思い、 大役を引き受けた。 幸い、 中央の公募展などで大きな賞を取る若手が目立ってきた。 美術系大学を卒業して、 故郷に帰り、 教室を持つ人もある。 今年から、 事務局長を補佐する役員に2人の若手を起用した。 発足当初は皆無だった女性会員も増加の傾向で、 初めて女性役員も登用した。 そういう人たちの意見を反映させて、 活気ある協会にしていきたい」
  「丹波美術協会の影響を受けて、 柏原高校美術部の現役部員とOBの展覧会 『柏美展』 の開催を手がけた。 今も展覧会が続いていることは喜び。 OBと一緒に展示することにより、 現役の生徒の刺激になり、 好影響をもたらしている。 丹波から芸術家が育ち、 愛好家が増える土壌作りをしていきたい」

    
 創作の一方で、 教室で愛好者を指導。 「時代は変わっても協会創立当時のことを忘れないようにしたい」と言う。その一方で、 多くの創作家が育ってきた今、 協会の役割を、 育てることから創作家集団への移行を模索する。 行動美術協会会員で審査員。 丹波市市島町上牧、 61歳。 (臼井 学)

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