兵庫医科大学篠山病院の存続問題にかかる同医大、 篠山市、 県との三者協議が20日、 同医大 (西宮市) で開かれた。 篠山市は、 2期に分けて行うとしていた病院改築工事を一体的に行うことを提案。 実質的な建設事業費を2、 3億円削減できる見込みで、 医大の負担軽減になるという。 また県は、 来年度からの3カ年度で計2億円の建設支援を予定しているが、 この他に 「相当額の追加支援」 を検討中であることを明らかにした。 次回3月5日の協議で内容が示される予定で、 医大は存続か撤退かの結論を保留した。
前回の協議で医大は、 「医師不足により篠山病院への医師派遣が困難」 との理由で、 昨年10月にまとめた基本協定書案を受け入れられないとし、 「5年以内に他の医療機関に移譲」 または 「病院建設費などへの補助金の上積み」 の2案を示した。
これを受けて市は 「病院建設補助金の上積み」 を検討し、 総額は15億円で変わらないものの、 1・2期工事の一体化による事業費抑制案を出した。 協定書案の話し合いでは、 1期工事 (08、 09年度) を18億円、 2期工事 (12、 13年度) を10―11億円程度と算定していた。 市は、 「一体的な実施により、 総額29億円程度から26億円程度になるのでは」 としている。
また、 市の支援財源は 「合併特例債」 を活用する方針という。 同特例債を補助金にあてるのは 「珍しいケース」 だが、 総務省の了承は得られているという。 合併後10年間発行でき、 起債の7割が交付税算入される。 償還期間は15年間。 篠山市は発行上限額210億円あまりのうち、 これまでに11の事業で計164億円を発行済み。
酒井隆明市長は 「建設の方法や財源は工夫できるが、 毎年の運営補助も含めて10年で33億円以上を出すのは難しい」 としており、 次回の協議の焦点は、 県の新たな支援策がどのようなものかになりそうだ。