小児期における生活習慣病予防をめざし、 県立柏原病院 (酒井國安院長) は、 講演会と、 生活習慣病予防教育入院を計画している。 夏休みを利用し、 小児科病棟で行う教育入院は合宿のようなもので、 メタボリックシンドローム対策を含む肥満に焦点をあて、 食事や運動などに関する知識を提供し、 楽しみながら肥満解消のきっかけづくりとする。
教育入院は、 8月6―8日の2泊3日。 小学生高学年から中学生が対象。 生活習慣病予防の講演会は、 7月19日午後1時半から同病院で。 小中学生と保護者が対象。
歩幅をはかってカロリー消費の違いを計測し、 効率的な歩き方を考えたり、 看護師が食に関する○×クイズをしたりする。 食事は、 特注のダイエット食を提供する。 柏原看護専門学校の体育館での運動や、 丹波の森公苑での調理実習なども含まれている。 心電図、 腹部エコーなどの検査も行う。
指導入院後も継続して診察が必要な患者は、 内分泌・代謝が専門の梁川裕司医長 (小児科) が診る。
7月の講演会では、 同病院で月1回、 肥満外来を担当している粟野宏之医師 (神戸大学医学部附属病院小児科医) が肥満に関する話を、 同病院管理栄養士、 理学療法士、 看護師が、 食事、 運動、 生活についてそれぞれ話しをする。 参加無料。 問い合わせは、 同病院3階南病棟 (0795・72・0524)。
講師の粟野医師インタビュー
7月19日に講演する粟野宏之医師 (篠山市出身)に、 子どもの生活習慣病について聞いた。
日本人の平均身長と平均体重から割り出す 「肥満度」 が、 18歳未満では20%になると、 介入が必要とされている。
メタボリックの診断基準は、 へその周囲が男女とも80センチで肥満度20%、 血圧や空腹時血糖が一定の数値以上の場合―などとされている。 思春期に肥満になる人は、 大人になってメタボになる人が多いという報告がある。 反対に、 小学校の時に肥満を予防すると、 成人した時の肥満が防げるという報告もある。 小児の糖尿病や高脂血症は、 将来の脳こうそくや心筋こうそく、 動脈硬化などにつながる。 予防医学の観点から、 小児でメタボ対策をすることに意味がある。
大人の場合、 自己責任という部分もある程度あるが、 子どもの場合は、 親の協力が必要だ。 成長期の子どもの厳格な食事制限などはしたくないと考えている。 食事を見直したり、 運動で新陳代謝を良くしたりする方法の話をしたい。