篠山病院 基本協定書案を議会提示

2008.06.26
丹波の地域医療特集

 兵庫医科大学篠山病院の存続にかかる篠山市と同医大との 「基本協定書案」 が示され、 23日、 市議会全員協議会で市当局が説明した。 調停役の県が出した案で、 昨年10月末に市、 同医大、 県との三者協議でいったんまとまった案に修正を加え、 最終的な支援額を盛り込んだほか、 土地交換の条文が追加されたが、 内容的に努力目標の傾向が強まった。
 協定案では、 医大が 「地域医療の中核を担う病院」 であると位置づけ、 協定期間は、 前回案と同じく締結の日から10年間とした。
 規定した診療目は 「内科、 外科、 整形外科、 リハビリテーション科、 産婦人科、 小児科、 放射線科および麻酔科」。 ただし、 「医療従事者の不足、 経営状況その他やむを得ない事情により、 診療科目の存続が困難になった場合」 について、 一定期間休止などの措置をとる可能性があることを含んでいる。
 新たに加わった土地交換の条文は、 市が所有するリハビリテーションセンターと老人保健施設、 これらに隣接する土地と、 医大が所有する現篠山病院敷地の土地を交換すると規定。 実施時期は 「2013年度以降」 とし、 諸条件は別途定めるとなっている。
 また案では、 「交換後の土地について医大が25年以内に売却などを行なう場合は市の同意が必要」 とした。
 運営費補助金は年1億8000万円で、 うち9000万円は救急負担分。 病院建築には19億4000万円を負担。 ただし、 うち1億6000万円は県が市に補助する。
 救急医療体制については、 市が市内の枠組みを構築し、 補助金を配分する。 また、 市民の意見を病院運営に反映させるための病院運営協議会を設置する。
 最終項目で、 「やむを得ぬ事情により篠山病院の運営が困難となった場合には、 県立ち会いのもとに信義誠実に協議のうえ、 対応を決定する」 という条文が追加された。
 全員協議会では議員から 「努力目標の表現が多いが、 法的効力はあるのか」 「医大の事情でどんどん縮小することが可能な案ではないか」 などの意見が出た。 酒井隆明市長は 「交渉の結果であり、 ギリギリの線。 病院が存続する、 ということが重要であり、 今後はいかに医大と信頼関係をつくっていけるかにかかっている」 と述べた。
 同日、 医大も理事会と評議員会を開いて審議。 若干の修正が加わる見通しという。 調印の日程などは未定。

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