夏の高校野球が始まる。西兵庫予選、丹波勢は2回戦までにあえなく姿を消したが、ベスト4には初の代表となった加古川北ほか公立高ばかりがそろい、中でも、2回戦で優勝候補筆頭の東洋大姫路に完勝した北条の活躍が目ざましかった。▼春季大会の北播地区予選では早々と負けたノーシード校。現監督が赴任した5年前当時は、部員が4人しかいなかったといい、新聞の下馬評には一言も触れられていなかったのが、東洋大姫路を下した後も波に乗ったように次々に強豪校を倒して準決勝にまで進んだ。▼加西市と言うとさほど遠くの学校ではないが、失礼ながら「北条」という校名には馴染みが薄い。北播磨の教育関係者の話によると、中学区制になってから生徒が近隣の高校に流れがちで、目立たない存在だったらしい。▼それでも野球部員たちは毎日夜の8時、9時まで練習を続けていた(朝日新聞)と聞くと、今回のできごとは決してまぐれではなかったことになる。全校の生徒に大きな刺激になったことだろう。▼丹波勢でも2回戦、強豪の市川に3対4で屈した柏原が、もし逆転されていなかったら、北条同様に躍進できたかも、と悔やまれる。しかし各校の選手諸君、また秋季がある。来年もある。夢を捨てず練習に励めば、きっとチャンスはやって来る。(E)