県立柏原病院 (酒井國安院長) と市立西脇病院 (大洞慶郎院長) が8月から医師を相互派遣する。 西脇の脳神経外科医が柏原で、 柏原の小児科医が西脇で、 週1回外来を担当する。 西脇では、 「県立柏原病院の小児科を守る会」 (丹生裕子代表) に触発された母親たちが、 「西脇病院の小児科を守る会」 (村井さおり代表) を設立し、 小児科医招へい運動を行っており、 母親たちの運動が西脇病院を動かし、 相互派遣に結びつけた。 両代表は、 「お互いの地域の医療の向上につながる取り組みで、 両病院に感謝したい」 と喜んでいる。
脳外科診療は8月5日からの火曜、 小児科診療は8月6日からの水曜。 基本的に両病院長が担当医を務める。 柏原は小児科医が5人、 脳神経外科医がゼロ、 西脇は小児科医が1人、 脳神経外科医が6人で、 「足らず」 を補う。
西脇病院小児科は、 医師不足のため、 昨年から外来診療のみで、 入院を休止中。 母親たちが、 昨年末に 「守る会」 を立ち上げ、 適切な受診を呼びかけるのと合わせ、 小児科医増員を求める署名を6万5000筆余り集め、 市長に提出していた。 これを受け、 西脇が柏原に相互派遣を持ちかけた。
柏原は、 昨年末で脳神経外科の常勤医が不在になり、 現在は週1回、 神戸大学から派遣される非常勤医の外来診察のみ。 外来診察の日が1日増えたことで、 通院リハビリが必要な患者を受け入れる余地が広がる。
酒井院長は、 「『守る会』 のおかげで医師が増えたから派遣ができる。 小野市や三木市の病院でリハビリをしていた人を地元で受け入れられるようにしたい」 と話している。
丹生代表は、 「他科の診療充実に貢献できてうれしい」 とコメント。 村井代表は、 「市立と県立の枠を超え、 院長が診察にあたって下さるなんて。 西脇のお母さんも助かり、 すごくうれしい。 丹波のお母さんのおかげ」 と、 喜びを語った。