今夏の暑さは、「北極の氷がどんどん溶けている」という報とやはり関係があるのでは。そう思いながら新聞を読んでいると、米国の大学が「温暖化で腎臓結石の患者が増える」と発表したという記事(朝日)が目に入り、ドキリとした。▼体内の水分が失われ、尿の濃度が上がってカルシウムやシュウ酸が腎臓内で固まりやすくなるのだという。過去の気温上昇と患者の伸び率の関係や、寒冷地と温暖地の発症件数の違いなどの傍証も挙げられていた。▼結石は痛い。筆者は1年前、下腹に経験したことのない激痛を覚え、以前の健診で思い当たる節があったので病院に駆け込むと、案の定、尿管に石がひっかかっていた。腎臓内にもう1つあるのもわかり、衝撃波で破砕する治療を受けるため2度、1泊ずつ入院した。▼この程度でも入院は初めてだったが、痛みもさることながら、破砕治療が保険対象外だったのは、こたえた。患者が随分多いことや、結石癖があるのか、繰り返し治療に通っている人がいることも知った。仲間に加わりたくなければ、水分を不足させないように出来るだけ補給を心がける以外にない。▼温暖化がもたらす病気はマラリアを初め結石のみにとどまらない。医療費は一層増えるだろう。北極熊の命運も心配だが、我々の身辺に危機が迫っている。(E)