県立柏原病院の小児科を守る会 (丹生裕子代表) の活動をモデルに、 医療機関へのかかり方や、 医師と患者の関係性について説いた手作り絵本 「くま先生のSOS」 を、 千葉県東金市のNPO法人 「地域医療を育てる会」 の藤本晴枝理事長が作った。 「コンビニ受診を控えよう」 「かかりつけ医を持とう」 などの守る会のスローガンがテーマになっている。 画像データを、 育てる会ホームページ (http://www.geocities.jp/haruefjmt/kumasensei.html) で配信している。 (足立智和)
ある日森にやって来たクマのお医者さん。 評判を呼び、 森中の動物が押しかけた。 夜中に泣きやまない子どもを連れて来るキツネ、 足にトゲが刺さったというカワウソ…クマ先生は、 過労で倒れてしまう。 困った動物たちは、 長老のヤギのおばあさんに相談。 「何でもかんでもクマ先生に治してもらうのは間違いで、 まず自分でできることをし、 それでも具合が良くならなかった時に受診する」 と教わり、 以来、 「ちょっと困ったら仲間に相談、 もう少し困ったらヤギおばあさんに相談、 うんと困ったらクマ先生に受診」 が共通認識になり、 クマ先生も、 みんなも元気で暮らせるようになった―というストーリー。
医療崩壊を食い止め、 再生させるために大切なことを子どもと保護者に一緒に考えてもらおうと、 元幼稚園教諭で、 絵心のある藤本理事長が、 色鉛筆でB4画用紙20枚に作画、 パソコンに画像データを取り込み、 守る会にプレゼントした。 印刷して紙芝居に、 とじて絵本にすることもできる。
守る会は、 紙芝居にして救急講座で上演を始めているほか、 ミニ絵本化し、 配布を計画中。 丹生代表は、 「かわいい動物を使って、 会の取り組みをやわらかく、 しかも分かりやすく伝えてもらった」 と喜ぶ。 藤本理事長は、 「クマ先生の疲れを知り、 変わって行く動物たちを通し、 医師と患者が互いに支え合うことで医療が守られることが伝われば」 と話している。
両団体は昨年から今年にかけて行き来している。