総務省事務官 圓増正宏さん

2008.10.02
たんばのひと

地方を活性化したい
(えんそう・まさひろ)東京都在住

 1982年 (昭和57年) 篠山市生まれ。 篠山鳳鳴高、 東京大法学部卒。 05年入省後、 北海道庁にて約2年勤務。 07年大臣官房秘書課で学生の採用などを担当した後、 7月より現職。

 自治税務局市町村税課で、 市町村の個人住民税に関する制度の企画立案などを担当。 今年から始まったふるさと納税なども守備範囲に含まれ、 「住民目線の制度づくりができるようがんばっています」。
 国家公務員になろうという志の原点は、 「日本をよりよい国にするために一生を捧げたい」 という思いから。 総務省を選んだのは 「篠山のような地方都市をなんとか活性化したい。 総務省には地方勤務など現場を見ることで自らを成長させる機会がある」 からで、 「街づくり、 地域づくり、 人づくり」 に関わる仕事がしたいという。 北海道庁での2年間の勤務中には夕張市の財政破綻があり、 地方が疲弊している現状を目の当たりにしたそうだ。
 ライフワークは、 「地方分権の推進」。 「中央政府は国にしかできない外交や基本的な国の政策に取り組めばよく、 暮らしに直結する身近なことは地方に任せればいい」 ときっぱり。 既得権益層の抵抗でなかなか改革が進まない日本の現状には、 「私自身は、 役所の外へ出ても通用する人間でありたいし、 天下りなどなくなってしかるべき、 と思います。 その気になればどんな仕事でも食べていくことはできるわけですし」。
 国家公務員がバッシングを受けているが、 「大半の人はまじめに働いているし、 私も自分の仕事が日本のためになると信じて働き続けます」。
 丹波篠山は、 「自然環境の良さは勿論、 地域社会があっていつも誰かが子どもを気にかけることができるという点で子育てには適していますね」。 大家族で育った自身の教育環境に肯定的だ。 老舗の和菓子屋の長男で、 両親、 祖父母、 曽祖父も健在。 「いつかは故郷のために貢献できるような土産を持って帰りたい」 とどこまでも頼もしい。   (上 高子)

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