県立人と自然の博物館 (三田市) は25日、 山南町上滝で見つかった大型草食恐竜化石 (丹波竜) の3次発掘調査を来年1月9日から開始することを明らかにした。 3月上旬終了を目標に、 発掘作業を進める予定。 調査のため、 12月2日午前10時半から化石含有層を覆う岩盤の除去作業に入る。 同博物館の三枝春生主任研究員は、 「今回の発掘区画に含まれているとみられる頸部や四肢が発見されれば、 丹波竜の全長など、 全体像が判明する可能性がある」 と話している。
3次発掘の対象は、 昨年調査した1次発掘現場 (約21平方メートル) の南側と、 今年2月まで行われていた2次発掘現場 (約25平方メートル) の南側に隣接するL字型の区画で、 約26平方メートル。
これまでの発掘調査で見つかった恐竜化石は、 尾椎、 脳函 (のうかん)、 胴肋骨など、 約5600点 (骨片含む)にもなる。 1次では尾部分、 2次では胴体部分と、 全身の約3割が発見されており、 3次発掘では、 さらに上部の頸部や頭部、 四肢などの発見を目指す。 脳函が尾付近から発見されたことなどから、 死後の筋肉収縮で、 背中を大きく反らしたものと考えられるため、 L字型に区画を指定した。
発掘作業は、 これまでの調査同様、 上部の岩盤を重機で取り除いた後、 手作業による発掘に着手する。 今回は、 雨や雪対策として、 現場上部に透明なビニールシートを設置する。 (森田靖久)