笑う門には福来たる

2008.12.26
丹波春秋

 連日のようにテレビで「派遣切り」が報道されている。年の瀬に仕事ばかりか、住む所も失い、寒空の下に放り出される姿は本当に痛ましい。派遣切りに象徴される世界的な不況は、年が改まっても決してリセットされることはなく、まだまだ続くだろう。▼そう思うと、気持ちが沈むが、ここはひとつ、吹っ切ってはどうか。不況のリセットは無理としても、気持ちだけはリセットしたい。▼斎藤茂太氏の『続・いい言葉はいい人生をつくる』で紹介されている話だが、日本で初めての民間警備会社「セコム」をつくった飯田亮氏は、「一寸先は光」が口癖だという。「明日はどんないいことが待っているだろうか」と、どきどきするような気持ちで眠りにつくらしい。景気がいいと、気持ちが弾むのは当たり前。でも、経済的に重苦しい今だからこそ、気持ちを前向きにするポジティブ思考を大切にしたい。▼「悲観主義は弱さを招き、楽観主義はパワーをもたらす」という言葉もある。くよくよしていると、物事はいい方向に回転しない。でも、前向きであると、事態が打開できる可能性がある。これは、数多くの経験から割り出された真理だから、昔の人は「笑う門には福来たる」と言ったのだろう。▼読者のみなさんにとって新年が、笑いと福に恵まれた年でありますように。 (Y)

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