朝日新聞の土曜別刷り面連載「意外に強い地域の実力」というコラムが面白い。各県ごとに特色が書かれ、「へえ、この県にこんな優れた点が」と気付かせてくれる。1月17日号は兵庫編だった。▼「広い県に多様な地域性」の見出しで、「面積で3分の1を占める但馬・丹波の人口は5%。しかし出石や篠山などの小城下町、城崎や湯村など風情ある温泉を持つこのエリアの彩りは欠かせない」などと、県北部や淡路に多くスペースをさき、「都市と農山漁村の多様な連携に期待」と結んであった。▼丹波新聞元日号が紹介した「美しい兵庫」意識調査では、71項目中、丹波地域は「子育てで支え合える」「自分の活躍の場がある」など1位の項目が断然多かった。彩りの役割に甘んじず、自信を持って全県の交流をリードしたいものだ。▼ところで朝日の記事には、兵庫県の成り立ちは丹波・但馬・摂津・播磨・淡路のほか、岡山の備前・美作も一部含んでいるとあった。ウィキペディアを調べたら、昭和38年に岡山県日生町(現備前市)の一部が赤穂市に、またずっと古く明治29年に同県吉野郡の一部が兵庫の佐用郡に編入されたという。▼佐用町の知人が「買い物は津山に行く」と言っていたのを思い出した。兵庫は「5国」どころか「7国」だったのか。なるほど広い、多様だ。(E)