先月7日、 さぎそうホール (篠山市今田町今田新田) で開かれた初コンサートは、 立ち見客が出るほどの盛況ぶりだった。 オリジナル4曲を含む16曲を熱唱し、 会場を埋めた350人がうっとり酔いしれた。 大阪府豊中市出身。 篠山市初田在住。
「あんなにも大勢の方に来ていただけるとは、 思ってもみなかった。 あの日が迎えられたのは、 たくさんの方々の支えがあったからこそ」
「中学生の時、 初めて行ったカラオケボックスで、 兄の友人の 『歌、 うまいなぁ』 の一言が、 歌手を目指すきっかけになった。 16歳から歌のレッスンを始め、 19歳の時、 演歌歌手を目指すため、 プロの音楽家から指導を受けた。 両親には23歳までと約束し、 歌を続けた」
「夢かなわず、 OLとして働いたが、 CDを自主制作したことを機に退職し、 再び演歌の道に戻った。 一時は東京の事務所に所属が決まったが、 色々あって両親のいる篠山へ来ました」
「目標を失った精神的なショックは大きく、 体調不良になった。 『歌をやめる』 という報告を兼ね、 以前から篠山での数々のイベントでお世話になっていた方へあいさつに伺った。 落ち込んでいる私を見て、 元気づけようと応援団を結成していただき、 私を舞台へと押し上げてくれた」
「メジャーデビューという大きな夢を持つことも大事だが、 それが果たして自分にとって幸せなことなのか、 今の私には分からない。 でも確かなことは、 私の歌を聞いて、 たとえ一人でも 『元気になれた』 『明日もがんばろう』 って思ってもらえたら、 それが私の幸せ。 そんな風に歌を聞いてくれる人のためにも、 歌い続けていたい」
数年来、 春日さんと親交のある応援団のひとりは、 「辛い時期を乗り越えて、 歌にも深みが出てきた」 と話す。 第2回コンサートが楽しみだ。 本名、 稲垣美穂。 34歳。 (太治庄三)