政治家の感覚

2009.04.02
丹波春秋

 与野党が世論を気にしながら総選挙がいつになるともわからないという由々しき事態。それにしても、国会議員の感性の鈍さ、庶民とのズレ具合は、泣きも笑いもできぬほどひどい。▼民主党代表の秘書の起訴。「政治資金規制法に違反していない。バックに建設会社があるとは知らなかった。公共事業への便宜など一切ない」といかに抗弁しようと、献金のねらいは見え見えだ。▼経産相ら自民党議員も同じこと。政治資金規正法そのものが抜け穴だらけであり、民主党内にはかつてそれを直そうという議論もあった。なのにこの事態を迎えながら、表向き静まり返っているのは何故?代表がよほど強権を持っているのか、それとも…。▼財務省の酔いつぶれ大臣や、市場外株取引副大臣のことは語るに足りぬが、その対応を見ていると首相も相当に勘が悪い。金賢姫・元工作員は北朝鮮に拉致された田口八重子さんの長男を抱きしめて涙ぐみ、観る者の心を打った。しかし首相の感想の言葉は、木で鼻をくくったよう。「この人に感情はないのか」と思わせた。▼政治は庶民の感覚から離れてはあり得ない。世襲議員が増え、世の中のことを知らない人が多いのではないか。先生方よ、料亭漬けの日々からたまには抜け出し、せめて一週間でも一般社会で「トライやる」体験されてはいかが。(E)

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