篠山市内3病院 「支援金」半額執行できず

2009.04.24
丹波の地域医療特集

 篠山市は、 2008年度補正予算で救急医療対策として市内3病院への支援金4500万円 (昨年10月―今年3月分) を計上していたが、 半額の2250万円を救急受け入れ実績に応じて分配し、 残る半額は執行せずに基金に積み立てる決算処理手続きを準備している。 市議会3月定例会本会議で補助金の分配について 「救急受け入れ実績と、 救急体制整備とに分けて分配する」 と答弁していたが、 各病院間の考え方が異なり、 体制整備が間に合わなかった。
 このほど初めて3病院長会議が開かれ、 福田能啓・兵庫医科大学篠山病院長、 余田洋右・岡本病院長、 井手通雄・にしき記念病院長、 市医師会正副会長、 市保健福祉部長ら8人が出席。 08年度分の分配案は概ね合意が得られた。 市は実績配分について 「他地域では救急医療が危機にある中、 現状維持に努力してもらっていることへの評価」 としている。
 市は、 救急受け入れ体制の充実に向け、 「丹波地域輪番を基本とし、 丹波市内の病院輪番日に、 篠山市内3病院で別の担当制をしく」 案を提案しているが、 ▽ 「輪番」 に対する捉え方▽救急担当医師の陣容―などが各病院間で異なるため、 合意は得られなかった。 ゴールデンウイーク明けにも再度3病院長会議を開いてたたき台を作成し、 その後、 医師会、 消防長らを加えた 「市救急医療体制調整委員会」 にはかって具体案をまとめる。
 市内3病院による救急体制の整備については07年11月、 兵庫医大篠山、 岡本、 にしき記念の3病院代表者、 医師会役員、 消防長らで 「市救急医療体制調整委員会」 (委員長=山鳥嘉彦市医師会長) を立ち上げて話し合いを始めたが、 兵庫医大篠山病院の存続が決まらなかったことや意見の相違によりいったん保留に。 08年7月に市、 県、 医大で篠山病院の運営協定書が結ばれ、同年9月、9カ月ぶりに 「市救急医療体制調整委員会」 を再開し、 同月に2回の委員会を開いたが、 病院間の溝が埋まらず、 再び中断している。
 救急医療対策支援金は、 市内3病院に年計9000万円が市から支払われる。 08年9月議会の補正予算案で半年分の4500万円を計上。 今年3月議会で09年度分の9000万円を予算化しているが、 分配方法の検討はこれからとなる。 08年度決算は、 議会 (全員協議会など) で承認を得たのち、 来月末に執行 (支払い) を行う予定という。

関連記事