9年前、 自宅のベランダから見える黒井城跡に毎日続けて登ろうと思い立ち、 17日で登頂3000回を達成した。 おおむね3年で1000回というペースで登り、 次の日に用事があるのが分かっている時は、 明日の分を合わせ、 1日に2回登ることも。
「家の用事や登山旅行などで365日登ることはできませんが、 雨や雪で休んだことはありません。 雷だけは苦手ですが。 マレーシアのキナバル (標高4095?) 登山に挑戦した後、 高山病の影響で微熱が続きました。 その時も黒井城跡に登ると不思議と熱が下がりました」
「毎日のように登っていると、 頂上で友達ができました。 意気投合して氷ノ山に登りに行ったり、 福井県の鯖街道を歩きに行ったりしたこともあります」
「年々、 黒井城跡登山を楽しむ人が増えていますね。 北は札幌、 南は九州、 埼玉から来たという人とも出会いました。 一昨年、 猪年にちなんで、 黒井城跡のある猪ノ口山が雑誌に紹介されたのをきっかけに、 さらに増えました。 道中で出会った人の数をメモしていますが、 少なくとも年間3500人ほど登られています」
「やはり山登りが好きだから続けられたのだと思います。 登っている時はしんどいですが、 頂上で吸う空気はおいしい。 また明日も登ろうという気持ちになります。 丹波市が提唱している、 『健康寿命』 を延ばすためにも体を動かして、 医療費がかからないことを心がけていくことが大切ではないでしょうか。 黒井城跡は健康づくりにもってこい。 適度な運動になりますよ」
「そこに山があるから」 という名言を残した登山家のごとく、 「ベランダから見えた」 黒井城跡山頂をめざして3000回。 継続することの大切さやすごさ、 好きなことに取り組むことの素晴らしさに気づかされる。 71歳。 丹波市春日町多利。 (芦田安生)