「若手医師が再生の鍵」 柏原病院長が講演

2009.07.28
丹波の地域医療特集

  「医療を守る丹波会議」 (会長=廣田誠信丹波市自治会長会長) の初の全体会が23日、 丹波の森公苑で開かれた。 加盟37団体の約100人が出席し、 事業計画を承認、 大西祥男県立柏原病院長の講演に耳を傾けた。
  「県立柏原病院の現状と今後」 と題して講演した大西院長は、 ▽入院機能の充実、 総合診療医の招へい▽若手医師に選ばれる充実した研修環境の提供▽紹介、 逆紹介など、 開業医との連携の推進▽救急体制の整備―の目標を掲げ、 特に若手医師に赴任してもらえる病院に力を注ぐことの重要性を強調。 病院の状態を 「ちょっと上向きだが、 再生した訳でも何でもない。 今からがスタート。 若い医師に来てもらえるようになれば安定するが、 1つ失敗すると、 もっと医師が減る」 と、 依然危機的状況にあることを報告した。
 同会は、 医療を大切にする地域づくりを進め、 地域医療の確保に向けて行動する住民、 団体らを支援する組織。 年1回以上、 全体会を開き、 丹波、 篠山両市の自治会長会、 青年会議所、 愛育会と丹波市連合婦人会、 県立柏原病院の小児科を守る会の8団体で作る幹事会を随時開催する。
 今年度は、 医療を守る企画を募り、 助成するほか、 年3回程度のセミナー、 11月に医療フォーラムを予定。 かかりつけ医手帳 (仮称) も作る。
 廣田会長は、 「地域医療の確保には、 医療の恩恵を受けている我々が何ができるかを考え行動することが必要と思い、 会議を設立した。 丹波会議の中でお互いの協力できる関係を築き、輪が広がることを期待している。 丹波会議の活動が医療を大切にする地域づくりにつながり、丹波地域の医療が確保されればありがたくと思う」 とあいさつした。

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