オリオン座流星群

2009.10.29
丹波春秋

 オリオン座流星群を見に、栗林の中に自前の天文観測所を持つYさんを訪ねた。オリオンが現れる午後11時までにはまだ早いが、頭上に白鳥座、カシオペア座、アンドロメダ座などの星々がさんさんと広がる。▼待つ間、60倍の高性能望遠鏡で木星やアンドロメダ星雲、それに、カシオペア座とペルセウス座の間に位置する二重星団などを見せてもらう。木星はひときわ明るい星。赤道方向を2本の線がくっきりと横切る。▼二重星団は無数の小さな宝石をばらまいたようにきらきら光っている。太陽系が属する銀河内なので8000光年の近さだが、隣の銀河、230万光年の所にあるアンドロメダ星雲は、もやっとした煙のよう。届いているのは、ヒトが猿人の頃の光だ。▼Yさんから星座の由来のギリシャ神話などを聞くうち、東の空にオリオン座が姿を見せ始めた。冬空にはいつでも見えるが、出始めの寝た姿は珍しい。右下がりの4辺形を作る左下の赤い星がベテルギウス、右上の青いのがリゲル。中に三ツ星。▼さて、ハレー彗星の遺物という流星群。いよいよと肝心の頃には、すっかり寒くなってきて、1時間ほどの間に2、3回すっと流れただけで断念。後日、ネットの動画で「うわぁ、こんなに」と感心することになったが、ともかく、悠久の時の流れを実感した。(E)

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