「今までもらってきた『ありがとう』の温かさをたくさんの人につなげていきたい。皆さんも一緒にこの素敵な言葉をつなげていきましょう」。―篠山市の中学弁論大会で徳田実咲さんは、トライやるウィークで働いた介護施設で多くのお年寄りから受けた感謝の体験を話した(11月22日号篠山版)。▼「県立柏原病院の小児科を守る会」が進める、医師に「ありがとう」のメッセージを届ける運動が全国に広がっている。富山に旅行中に急病で入院したことのある長崎の女性が、講演に来た会員を通じて医師にメッセージを送り、感激した医師がまた返信してきたそうだ。▼筆者もある会合で丹生代表からカードを配られ、「さて誰に出そうか」と、照れながら考えた末、夏に娘がお世話になった産科の先生宛に出した。会では1枚1枚、台紙に貼り付けて送ってくれるという。▼病院関係ばかりではない。丹波市中央小では児童3百人と保護者、卒業生らが担任の先生への手作りメッセージを運動会で披露した。▼「生きているということは誰かに借りを作ること。生きてゆくということはその借りを返していくこと」(29日号「自由の声」=荻野正裕さん)。たとえ「ありがとう」と言うだけのお返しであっても、その輪が家族から地域へ、そして日本へ、世界へとつながっていったら…。 (E)