命のリレー

2009.12.14
丹波春秋

 「カエルだって、オケラだって…みんなみんな生きているんだ、友だちなんだ」。篠山層群からまたまた新たな化石が発見された。国内初の角竜「アーケオケラトプス」。丹波竜の足元にいたカエル。▼無論、アーケオケラトプスはオケラとは違うが、ぴゅぴゅぴゅと走っている姿はどことなくオケラを思わせる。その頃、昆虫だっていたろう。哺乳類もネズミのようなのが昨年すでに発見された。まさに丹波は、様々な地球上の生物の痕跡を残す化石の宝庫だ。▼丹波竜を教材にした丹波市西小学校の理科授業で、発見者の村上さんは「恐竜だけでなく、ほかの小さな生き物のことも学んでほしい」と話した。ヒトの祖先の哺乳類も、当時は本当に小さく、ひっそりと生きていたのだ。▼恐竜は滅びたけれど、「最初のバクテリアの命から35億年の間、命のリレーが一度も途切れることなく、私たち一人ひとりにバトンタッチされてきたからこそ、私たちは今ここに生きている」。―もう1人の発見者、足立洌さんはこう書いている(07年本紙連載「恐竜化石との出会い」)。▼両市が連携して観光や地域活性化のための組織が発足するというニュースは朗報だが、目先の実利面にとどまらず、生命の大切さ、地球のすばらしさを知らしめる。そういう拠点づくりという視点が是非ほしい。 (E)

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