足の裏

2010.02.01
丹波春秋

 土踏まずがほとんど認められない偏平足の子どもが増えている。そんな話を耳にしてから久しい。そんななか、柏原保育所では4年前から土踏まずをつくるため、雑巾がけなどを取り入れているという。廊下やホールを雑巾でふく。定期的に足型をとり、土踏まずの出来を観察しているところによると、効果が表われているそうだ。▼たかが足の裏ではない。足の裏を研究している平沢弥一郎氏によると、現代人の立ち構えが怪しくなってきたという。立ったとき、足の裏に落下する重心の位置が、かかと寄りに移行しているのだ。▼いわば「ふんぞり返り」の姿勢。これは、直立能力の衰退につながる恐れがあるばかりか、「人類滅亡の危機の兆し」と警鐘を鳴らす。コンビニの駐車場や電車内など、ところ構わずに地面に腰をつけて座り込む若者のことをいうジベタリアンは、まさに直立能力の衰退だろう。さらに人類滅亡への一里塚だとすれば、ことは重大だ。▼立ったときに、足の指が全部は地に着いていない子どもが少なくないとも聞く。大地を踏みしめて立つという形容は、やがて絵空事になってしまうのか。▼「地に足の着いた」とは、考えや行動が堅実、着実なこと。文字通りに地に足が着かないジベタリアンは、どうみても堅実、着実には見えない。   (Y)

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