政界の風土

2010.03.08
丹波春秋

 期せずして弊紙に、丹波人の人柄をたたえるコメントが相次いで載った。ひとつは、大阪にある本社から異動になったJR篠山口駅の松田彰久駅長。「改札に立ち、行き交うお客さまにあいさつすると、きちんと返事が返ってくる。人の心が温かい土地柄なんですね」。▼もう一つは、本日付の「スマイル」に載っている篠山署の藤村学樹さん。尼崎東署から異動した藤村さんの篠山に対する印象は、「性格が大らかな方が多く、気さくに話しかけてもらえるのでありがたい」。▼いずれも、人に温かく接する丹波人の態度に感心している。その態度は、人と人が親密に結ばれた村落共同体の風土に基づくものだろう。昔と比べ、人間関係が疎遠になったと言われるが、長い歳月の中で培われた風土は簡単には消え去らない。今に生きる人々にも及び、態度や行動に表れる。風土の持つ力は、軽視できない。▼政界にも風土があるようだ。政権が交代しても、「政治とカネ」の問題は終息することがなかった。風土の根強さを思う。▼ロッキード裁判で揺れたころ、当時の法務大臣が放言した。「政治家は汚い、腐敗だと言う裏には、政治家は神の如きものでなきゃいけないという期待感があるのかね。とんでもない話だ」。政界の悪しき風土の一掃を願うのは、「とんでもない話」か。 (Y)

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