「瑠璃色の地球も花も宇宙の子」

2010.04.26
丹波春秋

 山崎直子さんが宇宙ステーションからツィートした第一報は、「瑠璃色の地球も花も宇宙の子」という俳句。松田聖子の「瑠璃色の地球」という曲を聴きながら作ったそうだ。▼彼女は小学生の時、先生から「夜空に光るあの星は水素や窒素、酸素などから出来ていて、人間の身体と同じ成分なんだよ」と教えられ、「遠い存在だった宇宙がグンと身近になった気がした」という(著書「何とかなるさ!」)。▼立花隆氏が30年近く前、ごく初期のアメリカ人宇宙飛行士12人へのインタビューをまとめた「宇宙からの帰還」によると、宇宙から地球を眺める体験をした彼らの多くが内省的になった。▼無限に広がる暗黒の中にはかなそうに浮かぶラムネ球を見れば、誰しも「こんな美しいものが偶然に生まれることなんてあり得ない」と感じるのだろう。アーウィンは月面で神の「臨在」を確信し、伝道者になった。地球を周回したシュワイカートは、思想家フラーから「環境は『私を除いて存在する全て』だが、宇宙は『私を含んで存在する全て』」という詩を渡され、自身の体験をより掘り下げて考えるようになった。▼山崎さんの思いも同じだろう。地球を初め星も月も太陽も、そして地球に住む私たち個々の生物も、ビッグバンで宇宙が生まれて以来、皆、根源でつながっている。(E)

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