市町村合併の特例法が期限切れとなった。ジャーナリストの葉上太郎氏が文藝春秋4月号に「『平成の大合併』篠山市の失敗」という題で、「合併の優等生はなぜ破綻寸前に陥ったのか」という論文を載せている。▼特例債を当て込んで箱物を作り過ぎた結果ということは周知の事実。市では酒井市長を先頭に、財政健全化のために懸命の努力を続けている。▼葉上氏は、旧西紀町の草山地区で住民が中心になって市の分室の業務を維持している例も紹介し、「私達はもう自分自身で立ち上がっていくしかない」という声を伝えた。苦しくなって初めて、住民が地方自治に目覚めたわけか。「失敗」を奇貨として、厳しい中から本来の自治への志向が広がっていくことを期待する。▼日経新聞(3月29日)は、新しく出来た「地方財政健全化法」により、健全化計画の策定を義務付けられた「破綻懸念」21市町村が、職員の大幅削減、サービス縮小はもとより、増税などに踏み切らざるを得なくなった状況について報じ、「決して他人事ではない」と警告を発した。▼これまで比較的財政が悪化していなかった丹波市も、ゴミ処理場建設の大事業が始まる。ただお役所任せにしていると、いつの間にか住民に苦しみが降りかかってくることになりかねない。しっかり関わっていかねば。 (E)