パリーグ賛歌

2010.06.24
丹波春秋

 サッカー・ワールドカップに押されてプロ野球の影が薄いが、今年のセパ交流戦は画期的だった。上位6チームをパが独占し、セは勝率やっと5割の巨人以外、全チーム負け越し。完全なパ優位となった。筆者も会員の「パリーグを愛する会」事務局長T君との対話。▼<T>そうだな。ドラフト制度が紆余曲折を経て、ともかくパにも良い選手が入ってくるようになったのが、大きいね。どのチームにも頼りになるエースがそろっている。以前のように「巨人でないと行かない」なんて言う選手はいなくなった。▼〈E=筆者〉DH制の採用も、「野球の面白味をそぐ」との見方もあるかもしれないが、投打ともにレベルを高めたことは間違いないな。投手にしてみれば全バッターに対して息が抜けないもの。▼〈T〉60年前に両リーグが発足して以来、セのチームは親会社も本拠地もあまり変わっていないが、パは親会社がすべて入れ替わり、本拠地も札幌や仙台に広がった。観客が不入りで試行錯誤を繰り返してきたわけだけど、今ではこれが活性化につながったと言えるよ。▼〈E〉うん。その昔、オールスター戦で、近鉄の選手らが列を作って江川にサインを頼みに行き、「へえーっ、君らも野球やってんの?大阪で?」と言われる漫画を見て悔しい思いをしたけれど、隔世の感だな。(E)

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