神戸市内でこのほど開かれた県高校総体で、 準優勝を果たした篠山産業高校女子バスケットボール部。 7月28日から沖縄で開幕する全国大会への切符を手にした。 教職生活の振り出しとなった同校で保健体育教諭として指導するとともに、 バスケ部の監督として一筋に歩んできた。 創部初の快挙を成し遂げ、 41年目の夏、 ついに念願の夢舞台に立つ。
「インターハイ出場がかかった須磨学園戦では、 ゲームの流れから勝ちを確信していたので、 試合終了を待たずに感極まった。 終了を告げる合図とともに、 思わずガッツポーズ。 生徒たちと抱き合って喜びました。 生徒からは最高のプレゼントを贈ってもらった」
「これまで県では、 ベスト4入りするのがやっと。 しかし、 その悔しさの積み重ねの中で私自身が学び、 そして得られた指導力を結集して今大会に臨めた。 生徒たちも私を信じてついてきてくれ、 よくがんばった。 特に決勝リーグの最後2試合では、 5人それぞれが自分の役割をこなし、 チームが 『負けられない』 という気迫に満ちていた。 全国大会という大きな舞台での経験は、 これからの人生の大きな自信にもつながるので、 1試合でも多く戦ってほしい」
「篠山中学、 鳳鳴高校、 日体大へと進み、 いずれもバスケ部に所属。 大学時代にアキレス腱を切るけがから、 審判やコーチ業に転向した。 その後の国際審判員などの経験から、 生徒たちには 『夢は見るものではなく、 実現するもの』 と言い聞かせ、 それほどの覚悟と信念を持って、 夢に向かって取り組んでほしいと指導してきた」
3年前に定年退職し、 再任用で3年目。 今後は、 後進の指導や中学生を対象としたバスケ教室に力を注ぐという。 「バスケしか取り得がないので」。 その言葉から、 大きな達成感と幸せが感じ取れた。 篠山市小川町。 62歳。
(太治庄三)